気になる目の下と目尻のシワ、きちんとケアできていますか?私は順調に薄くなって、消えたシワもあります。
今回は「目元のシワ」について、肌育美容家 今泉まいこ先生に記事を書いていただきました。
まいこ先生は、あの佐伯チズさんのもとで専門的に皮膚学を学んだエステティシャン。6年ほど前に初めて施術をお願いしました。
たくさんの肌に触れたプロだからこそわかる「目の下にできるシワの原因」と「改善方法」をたっぷり紹介していただきます。

佐伯チズ先生も、魔法の手をおもちなのだそうですよ。
目次
まいこ先生、目元のシワは改善できますか?
はじめまして!今泉まいこと申します。
佐伯チズ先生に師事し、広尾でエステサロンを営む「肌育美容家」が、目もとのシワについて詳しくお伝えします。
答え:消えるシワと消せないシワがあります
目元にできるシワは、大きく2種類あります。
- 目の周りに現れる表皮性シワ
- 目尻に現れる真皮性シワ
「ちりめんジワと呼ばれる表皮性のシワ」は、セルフケアで改善が可能です。
残念ながら、真皮が関係する「表情筋と垂直にあらわれるシワ」は、セルフケアだけでは改善は難しいです。
目の下のちりめんジワは消せます
表皮性のシワ(ちりめんジワ)は乾燥が原因ですので、毎日のきちんとした保湿ケアで消すことができます。
真皮ジワは完全には消えません
真皮性のシワはお肌の結合組織であるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の劣化が原因です。
セルフケアやコスメである程度の改善は期待できますが、完全になくなるということはありません。
「目元にシワができやすい人」の特徴と原因
エステティシャンとして女性の肌を数多く見ていると、シワができやすい人には特徴があることがわかってきました。
シワの原因1、皮膚が薄い
さいきん、お顔の皮膚が薄い方がとても増えています。
お顔の皮膚の厚さは表皮と真皮を合わせても平均2mmほど。さらに目元の皮膚はたった0.6mm(マブタを含む)しかありません。
皮膚が薄いということは、表皮ではセラミド不足で水分が少なくなり、真皮ではコラーゲンやエラスチンなど弾力組織が不足し、小ジワや乾燥ジワの原因になります。
シワの原因2、骨格の問題
欧米人のようないわゆる「彫りが深い」目元は、深いシワができやすい傾向があります。
骨格が平坦でないということは、表情筋を大きく動かすということ。
表情を変えるたびに眼輪筋や、眉を動かす皺眉筋(すうびきん)が大きく動くため、笑いジワなどが目元にできやすくなるからです。

笑いジワには20代から悩んでいて、せっせとシワ改善クリームを塗って、かなり目立たなくなりました。
シワの原因3、明らかにお手入れ不足
毎日のクレンジング、洗顔、保湿を怠ると、お肌の表皮のターンオーバー(生まれ変わりの周期)が乱れます。
通常28日〜29日で行われるターンオーバーが、30歳をすぎると60日になる人もいるんですよ。
古い角質がずっとお肌に残った状態では、あわててケアをしても水分と有効成分が中に入りません。普段からきちんと角質ケアを心がけましょう。

シワに悩んでいる方は、洗顔から見直す必要があるかもしれませんね。
シワの原因4、スマホの使いすぎ
起きている間は、ずっとスマホを手放さない方も多いのではないでしょうか?
電車でスマホを見ている人は、アゴをひいて下を覗き込んでいますよね?あの姿勢は頬のお肉が目元の薄い皮膚を押し上げて、シワを作ってしまいます。
前のめりの姿勢は肩こりの原因を作り、血流が悪くなることで顔全体、特に皮膚の薄い目元にシワを作る原因にもなります。
さらに言うと、スマホを見ている間は瞬きの数がとても減りますので、眼球も目元も乾燥してしまいます。
目が乾くということは、まばたきが多くなるということ。表情筋と同じで、皮膚を動かしすぎるとシワの原因になります。
シワの原因5、栄養不足と女性ホルモンの減少
間違ったダイエットや過度な糖質制限もシワができる原因になります。
体内が水分不足になり、急激に脂肪が減ることで身体全体のハリや弾力が失われる可能性があるからです。
ハリや弾力はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの結合組織が担っていますので、急激な体重減少、自己流でのダイエットは避けた方が懸命です。
また、女性は年齢とともに女性ホルモン(特にエストロゲン)が減少し、お肌が乾燥してシワができやすくなります。
目元にシワをつくる「まちがったケア」
目元のシワを気にしている方は、お手入れをきちんとしているつもりで、逆にシワを増やしている可能性があります。
NG!人差し指でアイクリームを塗る
アイクリームを人差し指でベタベタと強く塗っている方をよく見かけます。
繊細な目元には薬指を使いましょう。
アイクリームの塗り方
アイクリームを塗る際は目尻に片手の指を添えて少しだけ引っ張り、逆の手の薬指で目尻から目頭に向けてやさしく塗るようにしてください。
薬指は力が入りづらいので、目元の薄い皮膚にも摩擦を与えずアイクリームを塗ることができます。
NG!ひとつのクレンジングで顔中を洗う
クレンジングのCMで顔全体をクルクル一気に落とすシーンがありますが、それはNGです!
目元のクレンジングはアイメイク専用を使いましょう。
アイメイクの落とし方
厚手のコットンを1枚用意し、まず水でひたひたに湿らせます。
湿ったコットンに500円玉大のクレンジング剤を落とし、目元に当ててポイントメイクがコットンに移るのを待ちます。
しばらく時間をおいたら、やさしく拭き取ります。絶対にゴシゴシと擦らないようにしてください。
クレンジング剤はオイル系よりもジェルやクリームがおすすめ、オイルは敏感な目もとの皮膚には刺激が強いので気をつけてくださいね。
目元のシワを消す!すぐにできる「正しい」対策
エステサロンや美容皮膚科に行かなくても、シワは自分でケアできます。自宅で簡単にできる「目元のシワを改善する方法」をご紹介します。
シワを改善するスキンケア方法
お顔全体のお手入れを終えた後は、必ずアイクリームを使ってください。
また、日中もメイクの上から少しでも保湿した方がいいので、アイクリームをバッグなどに常備しておくと便利です。
メイク直しのときにアイクリームを少しだけ小指に出し、ポンポンと目元になじませるといいですよ。
オールインワン化粧品はおすすめできません
人それぞれ保湿に必要な水分、油分は違います。そのため、オールインワンを使ったスキンケアはおすすめできません。
自分の肌にあった量の化粧水、保湿クリーム、アイクリームを使い分けましょう。
シワを作らないアイメイク
メイクに関してはペンシル系のアイライナーは避けてください。どうしても力が入るので、目元の皮膚を引っ張ってしまうからです。
アイラインにはジェル系やパウダー系を使うのがベストです。
目元の小ジワやクマを隠すのにコンシーラーを使う方がいますが、コンシーラーはクリームファンデーションから水分を抜いたものなので、時間が経つと乾燥を起こします。
これもかえって小ジワの原因になりますので、硬いコンシーラーではなく、リキッドファンデやクリームファンデの重ね塗りをおすすめします。
目元のシワ改善に効果的なツボ
目元には多くのツボが集中しています。血流をよくすることが大切ですので、目が疲れたときはツボ押しをしてあげてください。
攢竹(サンチク)
「眉頭の下にある骨のくぼみ」にあるツボです。優しく親指で上に向かって引き上げてください。
晴明(セイメイ)
目頭の少し上にある「鼻の付け根の一番くぼんでいる部分」です。人差し指で優しく押してあげてください。
承泣(ショウキュウ)
「黒目の真下の骨のくぼみの部分」です。目の下の皮膚はとても薄いので、人差し指で優しく押しましょう。
四白(シハク)
承泣から少し下がって「頬骨の中にあるくぼみの部分」です。目から離れていますが、目の周りの血流をよくしてくれるツボです。
セルフマッサージの注意点
目元のマッサージは自分で行うとかえって皮膚を引っ張ってしまうことが多いので、セルフケアには温冷ケアがおすすめです。
市販の目元用温感シートを使った後に冷タオルで目元を冷やすのもいいですし、電子レンジで温めたタオルと冷タオルを交互に目元に当てるのもOKです。
温冷ケアをした後は血流は良くなりますが、放置すると乾燥を招きますので、必ずアイクリームを塗るようにしてください。
目もとのシワを予防する生活習慣
何気ない日常の一コマが、シワを作る原因になっている場合もあります。忙しい現代人の生活は、シワに直結しているとも言えます。
徹底した紫外線対策
目元のシワに限らず、多くのシワの元になるのが生活紫外線と言われるUV-Aです。
UV-Aはお肌の真皮まで入り込みコラーゲンやエラスチンを壊してしまいます。日が昇り沈むまでずっと降り注いでいると考えてください。
1年中UVケアを怠らないこと、サングラスなどで目元を保護することが大切です。
コンタクトをつけたまま寝ない
また細かいことですが、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまう方が多く見られます。
目だけでなく目の周辺への負担もかかりますので、必ず外すようにしてください。
疲労回復と睡眠
睡眠をしっかりとること、湯船に浸かること、パソコンやスマホから発せられるブルーライトを長時間浴びないこと。
ちょっとしたことですが、その日の疲れを溜めずに解消することが敏感な目もとの皮膚を守るコツです。
目元のしわ改善に効果的な化粧品成分と栄養素
2017年~2018年にかけて、ポーラや資生堂、コーセーの「シワ改善化粧品」が大きな話題になりましたね。
美容家としても、きちんとエビデンスがある化粧品がおすすめです。
資生堂のシワ改善成分「純粋レチノール」

深いしわを改善する資生堂エリクシール
化粧品の成分として効果が高く、おすすめなのは資生堂の「純粋レチノール」です。
レチノールはビタミンAの一つで角質層の保湿性をより高め柔軟にしてくれますし、コラーゲンの合成代謝を促進させるため、シワの改善や予防にも応用されています。
純粋レチノールは不安定で酸化しやすい成分ですが、資生堂オリジナル容器と技術で安定化に成功。厚労省に認可され、シワ改善化粧品として、もっとも売れています。
コーセーのシワ改善成分「リンクルナイアシン」

表皮と真皮に働きかけるワンバイコーセー
コーセーが認可をとったシワ改善成分が、リンクルナイアシンです。
リンクルナイアシンはビタミンの一種(ナイアシンアミド)で、ローションから美容液、クリームまで、さまざまな化粧品に配合できる水溶性成分です。
ナイアシンアミドは美白、ニキビなどにもいいと言われているマルチな成分で、真皮と表皮に働きかけてシワを改善します。
貼るヒアルロン酸も目元のケアに人気
透明なフィルムタイプのヒアルロン酸もジワジワ人気を集めています。
代表的なのが、資生堂ナビジョンから発売されているHAフィルパッチで、宮沢りえさんのテレビCMが話題になりました。
就寝前に貼って寝ると、100%ヒアルロン酸でできた針状のうるおいが目元の肌(角層)にじんわり溶け出すという仕組みです。
ふつうのケアでは満足できない美容好きな方におすすめのスペシャルケアです。
成分の配合量にも注意しましょう
上記の「レチノール」「EGF」「FGF」などはシワの改善にとても有効です。
ただし、ブランドによって配合量が違うことが多いので気をつけてください。
「購入した化粧品の成分がほとんど水だった」ということも多いので、安易なキャッチコピーに飛びつかず、成分表を確認することが大切です。
シワに負けない!肌を作る栄養素
バランスの良い食事を心がけることが一番ですが、必要に応じてサプリメントなども取り入れていきたいですね。
ビタミンCは抗酸化作用が高く、お肌を外的ストレスから守る働きがあります。
レチノールに代表されるビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保ってくれます。
良質なタンパク質は皮膚だけでなく身体作りに必要な栄養素です。
大豆などの植物性タンパク質だけでなく動物性のタンパク質もバランスよく摂取しましょう。
美しく年齢を重ねるために「シワを改善する方法」について学ぼう
まいこ先生のアドバイスまとめ
- 皮膚はこすらない、ひっぱらない
- 保湿と紫外線ケアは怠らない
- アイメイクは専用リムーバーで落とす
- 気がついたときにツボ押し
- 良質なタンパク質とビタミンA.Cを意識して摂る
まいこ先生は穏やかでふんわりした印象の方ですが、美容については本当に熱く語ってくださいます。
シワができるのは目元だけではありません。
おでこ、ほうれい線、眉間、首にできたシワ改善方法についても書いていただいたので、ぜひ覧くださいね。